抜歯が必要と言われた!歯を失ってしまった!という方へ
皆様がご存知の通り、永久歯は抜いてしまったら元には戻りません。
抜歯が必要と言われた方は、本当に抜歯が必要な歯なのか、ということを確認しましょう。しっかり治療をすれば残せる歯もあります。
しかし残念ながら現代の歯科医療もまだまだ万能ではなく、治療をしても良くなる見込みが低い歯、残すことができない歯があります。
そのような歯は抜歯の対象となってしまいます。
では、どういった歯が抜歯と判断されてしまうのでしょうか。
抜歯が必要なケースは大きく分けて3つあります。
1、虫歯がひどく進行している歯
虫歯が進行して歯がボロボロになった歯はその歯が細菌に感染して、歯肉が腫れたり、顎の骨を溶かしてしまう場合があるのでむし歯がひどくなり、根だけになってしまった歯などは抜く必要があります。
・むし歯ができないようにする対処法
むし歯のリスクは様々ですが、最もむし歯に悪影響を与えるのは、①食生活習慣で、ダラダラ食いなどは非常にリスクが高い状態と言えます。歯の周りが常に酸性になってしまい、ずっと歯が溶けやすい状態になってしまうからです。そのほか、②唾液の分泌量や、③日頃よく口にする食べ物の種類、そしてもちろん④歯磨きも重要です。以前のブログでも詳しく解説していますので、是非参照してみてくださいね。
2、歯周病が進行してしまった歯
歯周病とは歯を支えている顎の骨が溶けてしまう病気です。歯の周りの骨がなくなってしまうと歯はグラグラして噛めなくなり、そのまま放置してしまうとその周囲の歯に悪い影響を及ぼします。また、歯周病が身体の健康に害を及ぼしますので、歯周病が進行した歯は抜かないといけません。
・歯周病が進行しないようにする対処法
まずは①日頃の歯磨きをしっかりと丁寧に行うことです。特に歯の隣り合った所や、歯と歯茎の境など、より細かいところに最近は残ってしまうので、この部分をしっかり磨いて汚れを除去できるかどうかが大きなカギとなります。また②歯科医院での専門的な予防処置も不可欠です。ご自身での歯磨きが苦手なところを発見し、良くしていく事、日頃の歯磨きだけでは除去しにくいバイオフィルムの除去をすることで、歯周組織(歯を支えている歯槽骨や歯肉、歯根膜など)を健康に保つことが唯一の方法です。
日頃のご自身でのセルフケアと歯科医院でのプロフェッショナルケアという2つの柱が必要なのです。
3,割れてしまった歯
歯にひびが入ってしまうと、そのひびが細菌の入口となり歯や歯の周り歯肉に痛みを引き起こすことがあり、そのヒビの程度によっては抜歯が必要となることがあります。
・歯が割れないようにする為の対処法
まずはむし歯の予防や早期発見早期治療を行い、歯の神経を取らないでに済むようにしていくことです。神経をとった歯は、神経の残っている歯に比べて、咬合力を感じるセンサーが鈍くなっていたり、耐久性が落ちていたりするため、力がかかった時に歯にヒビが入ったり、歯が割れるリスクが高くなります。また歯ぎしり、くいしばりをされているような方は夜、上の歯にはめるマウスピースを作製されることをお勧めします。
根の先が膿んでいるために抜歯という診断をされた方への注意点
むし歯が大きくなり神経に細菌が侵入してしまっている歯や、以前神経の治療をされて根が膿んでいるために抜歯と診断されることがありますが、そのような歯は状態によっては十分残すことができる場合があります。
このような場合にはセカンドオピニオンにて他の歯科医師に診断を仰ぐことをお考えになられても良いかもしれません。
当院では、基本的には永久歯は極力、残した方が良いと考えます。抜歯はいつでもできますし、抜いてしまったらもう元には戻らないからです。
しかし、現代の歯科医療において残すことができない、治る見込みの低い歯を放置すると、その歯がある事によって、周りの健全な歯やお口全体、身体に悪い影響があるような場合は、やむを得ないですが歯を抜いた方が良いケースがあります。
やはり私たちも、できることなら患者様の歯を抜歯したくありません。
お口の中はご自身では見えにくく、ある程度進行しなければ症状も出ないことも多いため、患者様ご自身の判断では、どうしても発見が遅れてしまうことも少なくありません。
歯科医院に行って、レントゲン写真や口腔内写真を見せてもらいそこで初めて気付く事も多いものです。
特に気になる症状がない場合でも、一度検診を受けてみられてはいかがでしょうか。
一番良いのは何も異常がないということが確認できて、その状態が維持できること、何か異常があっても早期発見早期治療ができて、大事に至らないことで、ずっとご自身の歯で噛むことができれば、とても安心ですね。
まずは是非一度検診を受けてみて下さいね。