お口の病気ってどんな病気があるの? 〜パート①〜
「口の中が痛い」「舌がヒリヒリする」「ほっぺたが白くなってる」など、歯以外にもお口の中の粘膜に起こるさまざまな疾患があり、粘膜に起こる疾患の中には、時に重大な病気が潜んでいることもあります。
今日はお口の粘膜の病気について少しお話ししていきましょう。
お口の中が白くなってる!と心配になったことはありませんか?
今回はさまざまな病気の中でも特に粘膜が白くなる病気についてお話していきます。
口腔粘膜が白くなる病気(白色病変)には大きく分けて4つあります。
①アフタ性口内炎
②カンジダ症
③白板症
④扁平苔癬
それでは一つ一つ解説していきましょう。
①アフタ性口内炎
お口の中が痛い!と感じたら、最も多いのがこのアフタ性口内炎でです。
潰瘍性の小さな病変をアフタと言います。特徴としては下記のようなことが挙げられます。
- 口内炎の中で最も多い
- 2〜10m m程度の表面が白く浅い潰瘍性の粘膜変化
- 口腔内粘膜のあらゆる場所にできる
- 同じ場所に繰り返しできる場合は注意が必要
◯原因
明確には特定されていません。免疫力の低下、ストレス、栄養不足、睡眠不足、機械的刺激
その他食物アレルギー、喫煙、ホルモンバランスの乱れなどtが考えられるとされています。
◯治療法
自然治癒、レーザー、サホライドの塗布、薬剤の塗布
即効性のものはなく、レーザーや佐保ライドの塗布は痛みを伴うこともあり、自然治癒を待つケースも少なくありません。
②口腔カンジダ症
- カンジダ菌という真菌(カビ)による感染症
- 口の中に白苔(偽膜)ができる。痛みや味覚異常などを引き起こす。放置すると食道や肺にも感染が広がり重症化するリスクがある。
◯症状
白苔:舌や頬など口腔粘膜に白い苔のようなものが付着する。
ガーゼなどで拭うと剥がせるが、剥離後は粘膜が赤く腫れ
痛みや出血を伴うことが多い。
痛み:舌がヒリヒリしたり、違和感を感じたりする。
味覚異常:味覚に異常を感じることがある
口角炎:口角が赤く腫れ上がったり、キレたりする。
口腔内乾燥:口の中が乾燥しやすく不快感を感じる。
◯原因
カンジダ菌の増殖
カンジダ菌は常在菌であるため健康な人の口にも常在しているが、口腔内環境の変化や免疫力の低下などで増殖する
免疫力の低下:加齢、糖尿病、HIV、ステロイドの長期使用
抗生剤の長期投与:菌交代現象
口腔内の乾燥
義歯の不備
◯治療法
真菌による感染症なのでまずは口腔内を清潔に保つことが最優先になります。その上で根本的な問題に対処できるようであれば、対策を講じるということになるかと思われます。
抗真菌薬の使用、うがい薬、塗り薬、飲み薬を用いる
口腔内を清潔に保つ
義歯の洗浄
根本的な原因の除去
③白板症
肉眼的に粘膜が白色を呈する
組織学的には重曹扁平上皮の角化異常の一つである角化の亢進を起こした状態であるに過ぎない
- 舌、歯肉、頬粘膜に見られる
- 稀に癌化することがある(前癌病変)約3〜5%とされています
◯原因
病変部への刺激
喫煙、刺激物など
◯治療法
今の所特にない。原因を除去しても正常化しないこともよくある。
切除することもある
現実的には経過観察
④扁平苔癬
- 粘膜に起こる慢性的な炎症性疾患
- 平らでレース状
- 赤みを呈し、痒みや痛みを伴うこともある
◯原因
現在明確な原因は不明。
自己免疫疾患
金属アレルギー、薬物アレルギー
肝炎ウイルス
ストレス、喫煙など
◯治療法
自然治癒
ステロイドの塗布
免疫抑制剤など
◯注意点
稀に癌化する 0.4〜5%程度
以上が4つの口腔粘膜に発症する白色病変です。
口腔粘膜に発生する病変には原因が完全に明らかになっていないものも多く、またそれ故に治療法についても確立されていないものが多いのが現状です。
ただし経過観察するし放置すると悪いもの、命を脅かすものに変化するものも存在するため、異常を感じられた際には一度お近くの歯医者さんへ相談されることをお勧めします。
今回は口腔粘膜の病気についてお話ししましたが、粘膜に発生する疾患は他にもまだまだあります。今後も粘膜の病変についてまたお話ししていきたいと思います。
東灘区 にしうみ歯科・矯正歯科では皆様のさまざまなお悩みに対応できるよう日々研鑽を積んでおります。お口の悩みや予防に関して、ぜひ一度お気軽にご相談ください。