「歯磨きしないと虫歯になるよ!」
「甘いものばかり食べているとむし歯になるよ!」
幼い頃にこのように言われた記憶はありませんか?むし歯の予防=ブラッシングをしっかりすること
むし歯の原因=甘いもの
実はこれ半分正解で半分ハズレなのです。
むし歯の予防で重要なこと
- 食生活習慣
- 唾液の分泌量
- ブラッシング
- 詰め物・被せ物の精度
- むし歯菌の種類
中でも最も重要なことは食生活習慣なのです。
むし歯菌は通常は悪さをしないのですが、食べ物が入ってくると暴れ出して酸を出して歯を溶かすのです。酸が作られるとプラーク(歯垢)の中のp H値は大きく酸性に傾きます。
これが原因で歯が溶かされむし歯が作られるのです。
上記の図はステファンカーブと言われる有名な図で、食べ物を食べた際の歯垢内の酸性度の変化を表しています。
食べ物を食べた直後から一気に酸性に傾きます。そこから30分〜60分かけて唾液が酸を希釈し中性に戻ることで歯を再石灰化し歯を修復します。
例えば1日3食であれば歯は3時間溶けており、21時間は再石灰化、修復されていることになります。
では間食を1日に何回も摂ったとすると歯は何時間溶けるのでしょうか。
間食の回数が増えれば、それだけ歯が溶ける時間が増えるということになります。
このように、むし歯の予防で最も大事なことは食生活習慣、だらだらと飲食をするとむし歯のリスクが高まるということがお分かりいただけると思います。
ただし、小児期にはエネルギーの補給が不可欠であり、間食は必須ですし、間食自体は必ずしも悪いものではありません。時間を限って間食を取ること、長い時間ダラダラと食べない、ということが重要ということですね。
定期的に歯医者には行っているのに、歯磨きはしっかりしているのに、むし歯になる、という方がいらっしゃったら、一度、食生活習慣を見直してみていただくと何か発見があるかもしれません。
皆さんの歯を守るためにお役に立てば幸いです。