
小児期の口腔の健やかな成長に重要な3つのポイント
今回は、「成長に大切な3つのポイント」です。
よく「お子さんのお口や噛み合わせが問題がないか知りたい」とご相談を受けます。
虫歯がないことはもちろん重要ですが、実は噛み合わせや顎の発育も歯医者さんでチェックしてもらうとより望ましいです。
お子さんの顎の成長は今後のお子さんの未来を考える上で非常に重要です。
顎の成長を阻害するポイントを事前にチェックし予防をしていく必要があります。
今回は、成長に重要な3つのポイントを解説していきます。
是非、最後まで読んで頂けますと幸いです。
顎の成長で大切なこと
顎の成長で重要なのは
「呼吸」と「嚥下」と「姿勢」です。
毎日必ずやっていることが積み重なって成長していきます。
正しいことを知り、正しい行動をすることが正しい成長に導いてくれます。
まず、「呼吸」と「嚥下」と「姿勢」のこの3つがどう成長に影響を与えるのか解説していきます。
1.「呼吸」について
成長で大切なことは『呼吸』です。
口がポカンと空いていて口呼吸になっている子と鼻呼吸出来ている子では成長の仕方が違います。
脳は20Wの熱を産生しているのですが、脳が熱くなりすぎると機能が働かなくなります。
それを防ぐために鼻呼吸があります。
上顎は脳の成長と関与があり、下顎は身長に関与があります。
口呼吸になってしまうと脳の発育が悪くなり、上顎の成長が乏しくなります。
大人の矯正で「八重歯」の方に話を聞くと幼少期に鼻が詰まっていたと仰る方が多いです。
また、口呼吸の子は舌の位置も悪くなります。「低位舌」と言われます。
「低位舌」になると下顎が後ろに下がってしまい気道が狭くなり「いびき」が引き起こされてしまいます。
成長において「呼吸」は重要になってきます。
2.「嚥下」について
「嚥下」とは食べ物を飲み込む動作なのですがそこで舌の働きが極めて重要になってきます。
赤ちゃんの時は「乳児嚥下」で卒乳をすると「成人嚥下」と変化していきます。
どのように違いがあるのか嚥下が与える影響を詳しく説明させて頂きます。
「乳児嚥下」と「成人嚥下」の違いについて
「乳児嚥下」は乳首を唇で覆い舌を前に出して嚥下しています。
「成人嚥下」は舌を上顎につけて嚥下しています。
違いは舌を前に出して飲み込むか上につけて飲み込むかです。
舌の動き方の違いがあります。
「嚥下」が歯並びに与える影響について
本来、「成人嚥下」に変わっていかないといけないのに「乳児嚥下」が残ってしまっている場合は「嚥下」するたびに舌が前に出てきてしまいます。
そうすると、歯が舌に押されてしまうので前歯と前歯に隙間が出来てしまいます。
また、隙間があると舌も前方に出てきてしまい隙間が大きくなってしまいます。
また、飲み込む時に適切に舌を使えていない場合口輪筋(唇の筋肉)や頬筋(頬っぺたの筋肉)が異常に働いてしまうので、飲み込むたびに歯に力を掛けることになり歯が内側に倒れてしまったり、下の前歯がガタガタになってしまったりと影響を与えてしまいます。
3.「姿勢」について
「呼吸」についてのなかで舌の位置が悪くなると顎が後ろに下がってしまうとお話がありましたがそれが「姿勢」にも影響を与えてしまいます。
顎が後ろに下がると気道が狭くなってしまいます。空気の通り道を広げようと頭を前に出してしまいます。
頭の重さは約5kg程ありますが少し傾くだけで重さは倍になり首や背骨に負担がかかってしまいます。
首は「ストレートネック」になり、背骨は曲がって「猫背」になってしまい、肩は「内巻き」になってしまいます。
肩が「内巻き」になってしまうと肺が圧迫され、健全な内臓の生育を妨げるリスクが高まります。
また肺は酸素を脳や身体全体に供給する臓器であるため、肺の健全な成長は非常に重要です!
いかがだったでしょうか?
今回は、「成長に大切な3つのポイント」でした。
子供の成長は非常に早いスピードで進んでいきます。
だからこそ、毎日当たり前に行っていることが正しいのか正しくないのかは再度確認する必要があります。
大人になってあの時と後悔しないためにしっかり見直しましょう。
歯医者は虫歯が出来たら治療に行く場所ではありません。
虫歯になる前に、歯並びが悪くなる前に予防で通う場所です。
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もりかわ歯科志紀診療所はお口の中だけではなく全身のアドバイスも行っております。