なんで歯並びが悪くなるの?〜未来ある大事なお子さんのために〜 パート②
口腔機能発達不全症ってなに?
現代では小児期の歯並びの不正は増加傾向にあり、その原因は口腔機能の発達不足からきているということがわかってきています。
当院では小児期の歯並び治療(小児矯正)はただ歯並びを良くするだけではなく
なぜ今の歯並びの不正が起こったのかという原因から考え、必要に応じてお口の機能を育てるトレーニングを行っています。
お子さんの歯並びが気になる。。。
そんなお父さんお母さんは少なくないのではないでしょうか。
なぜ歯並びが悪くなるのでしょうか。
遺伝が原因なのでしょうか?
何か幼少期から対処できる方法はないのでしょうか?
そのようにお考えになる親御さんは少なくないのではないでしょうか。
実は唇の力、舌の力、噛む力など、お口の機能の発育不足である場合が少なくありません。
ご両親からの遺伝のみがお子さんの歯並びの不正の原因になるわけではないのです。
それでは歯並びが悪くならないようにするために
健康なお口の機能を育てるためには、どのような事柄が求められるのでしょうか。
①噛む力
咀嚼回数の減少と歯の使い方の変化
単純に「噛む」と言っても「食べ物を食べるときに必ず噛んでるけど。。?」と思われることと思います。
大事なことは正しく噛んでいるか、しっかりと噛んでいるか、ということです。
咀嚼回数の減少
まず噛む回数に関して現代人の食事時の咀嚼回数は昔に比べて大幅に減少しているのです。
弥生時代 約4000回
鎌倉時代 約2600〜2700回
江戸時代 約1500回
戦前 約1400回
現在 約600回
食事の軟食化 ファーストフード、調理済み食品、パン、麺などのあまり噛まなくても食べることができるものが増えたことにより咀嚼回数は大幅に減少しています
調理技術の向上
食材を柔らかく調理する技術が向上したために歯を正しく使用する機会が減少してしまった。
歯を正しく使用することで顎はしっかりと成長していきます。
逆にしっかりと噛むという顎への刺激が足りなければ顎は成長不足になってしまいます。
前歯 剪断 大きな食材を噛み切る
小臼歯 粉砕 食塊を小さくする
大臼歯 臼磨 細かくすりつぶす
歯はそれぞれに正しい使い方があります。
特に前歯は食物を噛み切るという役割があり、この刺激が顎の骨に伝わることで前方の歯槽骨が成長し、
しっかりとした顔つき、歯並びになります。
現代では上記のような食文化の変化から、この前歯で噛み切るという機会が減っており、その結果、顎の発達不足が生じる原因の一つとなっています。
②唇の力
近年では小児の口唇閉鎖力が低下しているという結果が出ています。
お口を閉じる力が弱いと無意識下でお口が開いている状態になり、お口がポカンと開いている状態になります。
お口ポカンの状態になると、唇が前歯の位置を制御してくれないため、前歯は前方へ倒れていきます。
その結果、出っ歯になったり、開咬(前歯が噛まない状態)という前歯が噛んでいない状態になることも少なくありません。
当院ではこの唇の力を測定することで、現状どのような状態にあり、トレーニングが必要かどうかの検査を行っております。
③舌の力、舌の位置
歯並びには舌の力や位置も大きく影響を及ぼします。
正常な舌の位置

閉口時、舌先はスポットと呼ばれる位置を触っており、また嚥下時にはそこから舌背がさらに口蓋に押し当てられる状態が正しい状態になります。
これにより舌が上顎骨を押し広げる力が生まれ顎を広げ育ててくれるようになります。
低位舌
舌の力が弱いと舌が十分上方へ押し当てられず、その結果上顎は成長不足へと陥ります。
舌突出癖
舌の力が弱いもしくは悪習癖として、嚥下時に舌が前歯を押し出す動きになります。
このような状態になると、出っ歯や開咬(前歯が噛まない状態)になってしまいます。
④呼吸の仕方
小児期には呼吸の仕方が変化していきます。
通常5歳ごろまでは口呼吸が主ですが、体(胸郭)の成長や顎の拡大に伴う鼻腔(鼻の空気の通り道)の広がりによって、鼻呼吸がメインになっていきます。
この呼吸方法の変化がスムーズに行われず、口呼吸が長引くと、お口ポカンの状態になってしまい、唇の力もうまく育たず、この場合も出っ歯や開咬の原因になることがありま
す。
⑤姿勢
小さい頃よく姿勢を正しなさい、と育てられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この姿勢も実は歯並び、特に顎の位置に大きく影響します。
立っている状態では、理想的には、頭の先から足の先までは一本の糸で釣られているような状態が望ましいと考えられます。
猫背の状態になると下顎が後ろに引っ張られてしまい、出っ歯の傾向になりやすく
反り腰の状態になると下顎が前に出てしまい、受け口になる傾向にあります。
そのほかにも、座っている状態では足が宙ぶらりんの状態では上体が安定せず、バランスを取るために猫背になりやすいなどの注意も必要です。
⑥その他
小児期の体は周囲からの力の影響を非常に受けやすい状態にあります。
頬杖やうつ伏せ寝、食事中のテレビの視聴による顔の向き、爪噛み、指吸いなどの癖や左右に偏るような力は歯並びの悪化の原因となりえます。
小児期の歯並びの不正には必ず原因があります。
小児期の矯正は歯を並べることだけではなく、原因を考え、対処すること、必要であればトレーニングを通して不足した口腔機能を育ててあげることが重要です。
当院では口腔機能の検査や機能育てるトレーニングに力を入れています。
小児期の歯並びの改善、口腔機能を育てるためには少なくとも7歳ごろから始めることが重要です。
ぜひ一度、東灘区にしうみ歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。



